交流実践紹介 異校種間交流
電子メールを使った交流 |
日進市立日進西中学校 |
昨年度より、技術・家庭科の学習内容『保育』の分野で保育園児との交流実習を行っている。本年度も昨年度と同様に、3年生の生徒が保育園の園児との交流実習を行った。 生徒は、おもちゃの役割と幼児にふさわしいおもちゃの条件について考えながら、楽しいだけでなく、発達段階や安全面、音や形にも注目しながら園児に合ったおもちゃを作ることになっている。また、作成したおもちゃは保育園実習に持参して、保育の場で実際に用いることになっている。おもちゃの作成に当たり、クラスを3つの講座(裁縫等でおもちゃを作る講座、木工等でおもちゃを作る講座、コンピュータを使っておもちゃを作る講座)に分け、園児へのおもちゃ作りを進めた。その中に、紙芝居をパソコンで作ったグループが数グループあった。 この交流活動のメインは、実際に近くの保育園に直接行って交流する活動であるが、電子メールなどの情報機器を上手に活用することで、遠くの保育園の園児と直接会わなくても交流する活動も実践することにした。 |
日進西中学校の実践
4 成果と課題 | |
こうした取組が2年目ということもあり、先を見通した実践をすることができた。 4月当初は、ネットモラルやインターネットの利点や欠点、メールや掲示板チャットの使い方について学習した。メールなどにより今後交流をすることを意識してこの学習を進めることができたため、個人名などの個人情報を出さないとか著作権を考慮して作品を作るなど、ネットモラルを昨年度よりしっかり押さえることができた。この後、生徒たちはこうしたことを意識して作品の制作に取り組めた。 本実践のような交流活動は、作品を外部に発信して、純粋に楽しいものに興味をもつ園児に直接評価してもらえる活動であるため、生徒の作品制作に取り組む意欲は高くなる。今後も毎年工夫を重ねながら、継続していきたい活動と考える。 昨年度はプレゼンテーションのデータとワープロソフトで書いたせりふをメールで送信し、保育士さんがプロジェクタで放映しながら実際に読み聞かせをする形式であったが、今年度は音声が入った動画紙芝居を何とか作ってみようと生徒たちは意欲的に取り組んだ。しかし、技術・家庭科の限られた授業時間の中では、動画の編集までは十分にできず、授業後や学級活動も活用することとなった。受験を控えた3年生にとってその作業は負担となり、完成したのが予定より遅れて1月になってしまった。この点は、反省すべきことの一つである。 作品として、自分たちの歌った合唱が紙芝居の形になり生徒自身は満足していたが、園児にとっては内容が難しすぎた。十分考えられた昔話ではあったが、合唱をせりふとして使ったことで言葉の一言一言がはっきりせず、また言葉の強弱や場面変更も分かりにくかったようであった。園児のおもちゃとしての評価としては、あまり良いものではなかった。 この交流実践は直接交流を主たる目的としているが、実際に交流時間を多く確保するのはなかなか難しい。そこで、電子メールなどを活用することが有効と考えるが、今回のような異校種間交流である場合は特に交流先のことを事前に十分に知り、多くの時間をとりながらじっくり検討していく必要があると感じた。交流活動は、生徒の意欲を高めることができるという面では素晴らしい活動であることは確かであるが、ネットワークを活用した交流活動を、いかに短時間に効率よくスムーズに進められるかが課題である。そうした面から、テレビ会議システムを活用した形で、リアルタイムで遠くの学校と交流できるようなプランを今後は考えていきたい。 |